画像引用元:日本郵政
個人情報保護法により個人の氏名・住所が載った顧客リストの収集が難しい中、宛名のいらない郵便局のポスティングサービス「タウンメール(配達地域指定郵便物)」は新規客へアプローチできるDMツールとして活用されてきました。
しかし2022年4月1日以降、「タウンメール(配達地域指定郵便物)」は大幅な値上げをすることが発表されています。
今回は、「タウンメール(配達地域指定郵便物)」値上げの概要や、その他宛名不要で送れるDMの代替サービスについてご紹介します。
タウンメールは2022年4月以降、25~28円値上げ
2020年11月16日、日本郵便は2022年4月1日以降「タウンメール(配達地域指定郵便物)」の料金を一通あたり25~28円値上げすることを発表しました。
区別 | 重量 | 改訂前 (〜2022年3月31日) |
改定後 (2022年4月1日〜) |
---|---|---|---|
定形郵便物 定形外郵便物 |
25gまで | 29円 | 57円 |
50gまで | 42円 | 67円 | |
100gまで | 56円 | 81円 |
引用参照元:配達地域指定郵便物の料金の改定
これまで「タウンメール(配達地域指定郵便物)」は新規顧客の獲得を狙ったDMなどの配布に利用されていましたが、現行料金では採算が合わないとの理由から値上げが決定したようです。
この他、郵便物の引き受けと配達先が同一地域の場合に適応される「郵便区内特別郵便物」の割引制度も2022年4月に料金改定が決まっており、同時に1,000通以上差し出す際は一通当たり5円引き上げとなります。
宛名不要で送れるDMの代替サービス「タウンプラス」
タウンメールは通常のDMとは異なり宛名不要でDM送付できることから新規客開拓のツールとして活用されてきましたが、値上げに伴い代替サービスを検討される方も多いと思います。ここからは宛名不要でDM送付できる代替サービス「タウンプラス」についてご紹介します。
「タウンプラス」とは?
「タウンプラス」とは、「タウンメール(配達地域指定郵便物)」同様、宛名不要で指定した特定地域(町丁目)の全世帯に配達してくれる日本郵政のサービスですが、「タウンメール(配達地域指定郵便物)」とは配達日数や配達精度などが異なります。
タウンプラス | タウンメール (配達地域指定郵便物) |
|
---|---|---|
郵便物の表面への表記 | 「タウンプラス」 | 「配達地域指定」 |
引受除外期間 | 12月13日~翌年1月14日の間 | 12月15日~翌年1月14日の間 |
配達日数 | 普通郵便物の送達日数(2日) +7日程度の余裕 |
普通郵便物の送達日数(2日) +3日程度の余裕 |
事前申請 | 差出計画書と郵便物差出内訳表提出 | なし |
準備期間 | 差出希望日の14日以上前 | 最短3~5営業日 |
料金体系 | 特約料金 | 定価 |
一通あたりの料金 | 配達個数や形状、差出条件により異なる 29円~58円 |
(改定前:〜2022年3月31日) 重量25gまで29円 重量25gを超え50gまで 42円 重量50gを超え100gまで 56円 (改定後:2022年4月1日〜) |
最低差出個数 | 500個以上~ | 指定なし |
差出方法 | 郵便区番号ごとにまとめて配達郵便局、若しくは配達地域区分局へ差出(一次区分/二次区分) | 郵便区番号ごとにまとめて、配達郵便局へ差出(一次区分) |
差出郵便局 |
|
配布エリアを管轄する配達局 |
その他 | マンション単位での選択も可 | ― |
引用参照元:「タウンメール」と「「タウンプラス」」の違い
「タウンプラス」と「タウンメール(配達地域指定郵便物)」の主な違いは以下の通りです。
「タウンプラス」と「タウンメール」の違い
配達精度が違う
- 「タウンプラス」・・・町丁目〇〇マンションまで細かく指定
- 「タウンメール(配達地域指定郵便物)」・・・町丁目まで指定
指定したエリア全域にDM送付できるという点では「タウンプラス」も「タウンメール(配達地域指定郵便物)」も同様ですが、「タウンプラス」はマンション単位の配送指定が可能です。
例えば、『若いファミリー層が多く住むマンション』と『高齢者が多く住むマンション』が混在する場合、マンション単位で指定することにより確度が高いエリア・マンションに限定して配達することが可能です。
また、チラシ等の投函を禁止されているマンションが配送指定エリアにある場合、事前に除外することができます。
配達日数が違う
- 「タウンプラス」・・・配達完了までに2〜9日
- 「タウンメール(配達地域指定郵便物)」・・・配達完了までに2〜5日
配布物差出受付の翌日から数えて配達完了までに2〜5日の「タウンメール(配達地域指定郵便物)」とは異なり、「タウンプラス」は配達完了までに2〜9日かかります。
最低発送枚数が違う
- 「タウンプラス」・・・最低500通から依頼可能
- 「タウンメール(配達地域指定郵便物)」・・・最低1通から依頼可能
最低1通から発送できる「タウンメール(配達地域指定郵便物)」とは異なり、「タウンプラス」は最低500通からとなっておりDMを大量発送したい方におすすめです。
準備期間が違う
- 「タウンプラス」・・・最低準備期間14日
- 「タウンメール(配達地域指定郵便物)」・・・最低準備期間2~7日
「タウンメール(配達地域指定郵便物)」とは異なり、「タウンプラス」は郵便局への事前申請が必要なため最低準備期間はDM発送予定日の14日前となっています。
「タウンプラス」はマンション単位で送付エリアを指定できるため配達精度が高く、2022年4月1日以降の料金改定後は「タウンメール(配達地域指定郵便物)」よりも1通あたり最大29円安くなるため、新規顧客開拓にDM送付をお考えの方は今後「タウンプラス」がおすすめと言えます。
「タウンプラス」を利用するためには?
「タウンプラス」を利用するためには事前申請が必要です。利用方法について詳しく見ていきましょう。
1:配送地域を絞り込む
配送エリアを管轄する配達局から「町丁別配達可能件数表」「差出計画書」「タウンプラス差出票」を取り寄せ、配送エリアや差出個数、差出予定日を決定します。
2:事前申請をする
「差出計画書」「タウンプラス差出票」を記入し、差出す郵便局に事前申請します。
※差出希望日の14日前までに提出しましょう。
3:DMを印刷する
画像引用元:タウンメールタウンプラス
印刷物表面に「タウンプラス」と表記しつつ、「料金別納」「料金後納」「料金計器別納」のいずれかを表記します。※支払い方法により異なる。
4:区分作業をする
画像引用元:日本郵政
「タウンプラス」における区分作業とは、配布物を地域毎に区分し指定の紙札を付ける作業のことです。配布するDMを配布地域(〇〇丁目または〇〇丁目〇〇マンション)ごとに分類して束ね、必要事項を記載した白色の紙札を作成して付けます。
【紙札に記載する内容】
- 「7日」(島しょ宛の場合は「14日」)の文字(朱書き)
- 配達地域の名称(例:〇〇丁目または〇〇丁目〇〇マンション)
- 配達地域の郵便番号
- 配達を担当する郵便局
- 配達に必要な通数
区分方法が分からない場合は日本郵政に直接お問い合わせいただくか、またはDM発送代行業者に依頼いただくとスムーズです。
5:「配達郵便局」または「地域区分局」に持ち込む
配達地域の集配業務を管轄する「配達郵便局」または、他の地域への郵便物を取りまとめる「地域区分局」に差し出します。
「タウンプラス」は、「差出計画書」「タウンプラス差出票」の提出や区分作業など発送準備が非常に煩雑ですので、自社で発送準備をすると思わぬ工数がかかってしまい発送予定日に間に合わないなどのトラブルになりかねません。
「タウンプラス」を利用する場合には、発送準備をまるごと委託できるDM発送代行業者に依頼すると良いでしょう。
DM発送代行業者はDM発送を熟知していますので、自社で発送準備をするよりも人件費や工数を減らすことが可能です。
まとめ
今回は、「タウンメール(配達地域指定郵便物)」値上げの概要や、その他宛名不要で送れるDMの代替サービス「タウンプラス」についてご紹介しました。
「タウンメール(配達地域指定郵便物)」は2022年4月1日以降25~28円値上げとなります。
- 宛名不要でDM送付できる代替サービスを探している
- 500通以上のDM送付を予定している
- なるべく費用を抑えて送りたい
- 配達地域をマンションまで細かく指定したい
という方は「タウンプラス」がおすすめです。
「タウンプラス」と「タウンメール(配達地域指定郵便物)」の値上げ後の料金を比較してみると、「タウンプラス」は1通あたり最大29円安くDM送付することが可能です。※配達個数や形状、差出条件により料金は異ります。
ただし、「タウンプラス」は発送準備が非常に煩雑ですので、サービスを利用する場合にはDM発送代行業者に依頼すると良いでしょう。
事前申請や区分作業など面倒な発送準備を全て委託できますので、『配送エリアの絞り込みから相談したい』『区分方法が分からない』という方はぜひ一度DM発送代行業者に相談してみましょう。