今回はDM(ダイレクトメール)の効果測定を行ううえで重要な数字となる反応率(行動喚起率)の平均値と測定方法、反応率をUPさせるための方法についてご紹介いたします。
ダイレクトメールの反応率は約16.3%(2019年)
一般社団法人 日本ダイレクトメール協会が発表した「DMメディア実態調査2019」によると、ダイレクトメール(DM)の開封・閲読率は74%(79.4%)、反応率(ネットで調べた、来店した、話題にした等の行動)は16.3%(24%)となっています。
※()は前年度数値。
さらに、年齢層別に見た反応率(行動喚起率)は、若年層が平均16.3%を上回るスコアとなり、DM が若年層においても高い効果を持つことが分かりました。
【年齢層別に見た反応率】
性別 | 年代 | 反応率(行動喚起率) |
---|---|---|
男性 | 20代 | 17.5% |
男性 | 30代 | 21.8% |
女性 | 30代 | 26.2% |
※「DMメディア実態調査2019」より作成
DMから派生する行動の種類もクチコミやサイトアクセス、リアル店舗への来店など、様々
な経路を経ており、クロスメディアの起点としての役割も確認できた。
今回も目立ったのは、「ネットで調べた」の 7.5%で、「ネット上の掲示板等に書き込んだ」0.2%なども含めて WEB誘導がDM効果の大きな役割を担っている状況が見て取れる。
引用元:「DMメディア実態調査2019」
郵便ダイレクトメール(DM)を受け取って何らかの行動を起こした人の数は前年度の調査から多少減少していますが、ネット主流の時代においても若年層の反応率は依然高く、郵便ダイレクトメール(DM)を活用したWEB誘導が効果的であることが分かります。
平均の反応率は分かりましたが、一般的にダイレクトメール(DM)の反応率はどのくらいで成功と言えるのでしょうか?
ダイレクトメールの成功基準は反応率1.0%
ダイレクトメール(DM)の反応率はおおよそ1.0%で成功と言われています。
1通100円のDMを1,000通出したとして、コスト約10万円。反応率が1.0%の場合、1,000通のうち10件の戻りなので、この時のCPAは1件あたり約10,000円となります。
DMの費用対効果は大体このあたり数値が目安になります。
DMにより顧客との接点を持った後、クチコミやサイトアクセス、リアル店舗への来店など様々な経路を経ており、どのような経路を経て成約に至るかは、サービスや商品によって異なります。
そのため、効果測定において指標にすべきは反応率となり、成功したかどうかの目安は反応率1.0%が目安のようです。
【顧客別】反応率の目安
同じダイレクトメール(DM)でも、送り先顧客の状態によって反応率の目安は異なります。
- 新規顧客の場合0.5~1%程度
- 見込み顧客の場合1~10%程度
- 既存顧客の場合5~15%以上
これらの数値は平均値なのであくまでも目安となりますが、送り先顧客の状態に合わせてダイレクトメール(DM)の内容を細かく変えたり、開封される為の工夫をすることでさらに反応率を高めることができます。
反応率の求め方
郵便ダイレクトメール(DM)の反応率とは、DM送付をした顧客のうち、商品購入や問い合わせなど特定の行動(レスポンス)を起こした顧客の割合をいいます。
引用元:ダイレクトメール(DM)の反応率の平均は?効果測定と費用対効果UPの方法について徹底解説
レスポンスの定義は、
資料請求/問い合わせ/見積もり依頼/アンケート回答/申し込み/サンプルやお試し商品の注文/クーポン券持参での来店/WEBページへのアクセス
などです。
実際にやってみよう!ダイレクトメールの効果測定
反応率の目安について分かったところで、実際に送付したダイレクトメールが成功したかどうか?の効果測定はどのように行えばよいのでしょうか?
これからご紹介する①〜④の計算式に数値を当てはめて、効果測定をしてみましょう。
①総DMコストを算出する
総DMコストとは、ダイレクトメール(DM)を作成するのにかかった経費、送るのにかかった経費の合計コストのことを指します。
以下のように、ダイレクトメール(DM)発送までの経費を計算し総DMコストを求めます。
②コスト回収に必要なレスポンス件数を算出する
①で算出した総DMコストを回収するために最低限必要なレスポンス件数(損益分岐点)を算出します。※レスポンスとは、資料請求やお問合せなどです。
損益分岐点を調べることで、どのくらいのレスポンスが必要か?数値を明確にします。
例:総DMコストが100万円で、1件あたりの粗利額5,000円の商品を販売する場合
100万円 ÷ 5,000円 = 200件のレスポンスが必要
DM送付した顧客から最終的に200件のレスポンスがあれば、コスト回収できることがわかります。
③費用対効果を計測しよう
②で算出したコスト回収に最低限必要なレスポンス件数を目安に、どのくらい効果があったのか費用対効果を計測します。
コスト回収に必要なレスポンス件数 > 実際の受注件数 ▶︎ 赤字
実際のレスポンス件数が、コスト回収に必要なレスポンス件数を上回ることが理想です。
レスポンス件数が多ければ多いほど、費用対効果が高いと言えます。
④反応率を計算しよう
前途した計算式で、反応率を計算します。
ダイレクトメール(DM)の反応率はおおよそ1.0%で成功と言われていますので
「費用対効果が黒字」かつ「反応率1.0%以上」の状態であればダイレクトメール(DM)施策は成功と言えます。
反応率を高めるポイント4つ【例文つき】
ターゲットを絞り込んだ文面にする
画像引用元:ダイレクトメール(DM)の反応率の平均は?効果測定と費用対効果UPの方法について徹底解説
ダイレクトメール(DM)は、ターゲットに「これは自分宛にきたDMだ!」と、“自分事”として捉えてもらうことが重要です。
ターゲットが明確であればあるほど反応率が高まります。
送り先顧客を条件や情報ごとに分類し、その分類したグループごとに合った文面を作成しましょう。
- 〇〇でお悩みの方に
- 中小企業の社長さまにとっておきのご案内です
- 平均点数を20点UPさせたいキミへ
- 〇〇を手軽に続けたいあなたへ
オファー(特典・提案)を載せる
画像引用元:ダイレクトメール(DM)の反応率の平均は?効果測定と費用対効果UPの方法について徹底解説
オファーとは、クーポンやプレゼントなどの特典・提案のことを言い、ターゲットを惹きつけるものです。
引用元:ダイレクトメール(DM)の反応率の平均は?効果測定と費用対効果UPの方法について徹底解説
- ◯月◯日までのご購入で10%OFF
- 来店時にノベルティグッズプレゼント
- お友達紹介で500円割引クーポンゲット
- 収益を劇的に改善する〇〇
- 審査たったの3分!あなたの愛車を高く買います!
- 業界最低水準!低コストな〇〇
- 無料診断、無料相談
- 会員様だけの特別価格でご提供
オファーがあるとないとでは反応率に大きな差が生まれます。
「DMメディア実態調査2019」の調査によると、『ダイレクトメールにメリットが感じられる内容を希望する人』が4~5割前後いることが分かりました。
ダイレクトメールに希望する内容 | 希望割合 |
---|---|
「クーポンの案内・プレゼント」が欲しい | 51.3% |
「試供品の案内・プレゼント」が欲しい | 42.7% |
「特売・セール・キャンペーンの案内」が欲しい | 41.2% |
ターゲットに合った魅力的なオファーを訴求し、反応率を高めましょう。
形状は約4割の人に見てもらえる『はがき』がおすすめ
画像引用元:DMの基本~現在の動向編~
日本ダイレクトメール協会が実施しているアンケートの結果によると、読んだ人が圧倒的に多いのは、「はがき(圧着含む)」のダイレクトメール(DM)という結果となりました。
実際に「形状をはがきに変更しただけで効果がアップした!」という成功事例は数多く報告されています。
某工務店の場合。イベントへの来場促進の目的で毎月送っていた封書(800通)をA4ハガキに変更。たったそれだけで、来場者がこれまでの3倍にアップ。
引用元:ダイレクトメール(DM)の反応率の平均は?効果測定と費用対効果UPの方法について徹底解説
某金融サービスの場合。本ケースでは、資金繰りサービスのDMを「A4ハガキ」から「A4圧着ハガキ」に変更。「資金繰り」という内容を圧着部分に隠し、展開しないと内容がわからないようにしたところ反応率が1.5倍に。
引用元:DMの形状を変えるだけで、何倍もの効果が得られる! ~あなたが送るDMはどんなカタチ?~
PC通販会社の場合。透明ビニール封筒入りのカタログDMを毎月数10万部発送していましたが、A4圧着タイプに変更したところ、コールセンターがパンクするほどの反応が得られました。
引用元:ダイレクトメール(DM)の反応率の平均は?効果測定と費用対効果UPの方法について徹底解説
「はがき(圧着含む)」は閲覧率が高い=反響に繋がりやすい形状と言えます。
また、費用の観点から見ても「はがき(圧着含む)」は低コストなダイレクトメール(DM)となりますので、まずは「はがき(圧着含む)」から始めてみましょう。
最適なタイミングで発送しよう
ターゲットを絞り込み文面・内容を検討したとしても、ダイレクトメール(DM)を受け取ったタイミングがターゲットにとって適切でない場合は反応が得られません。
ターゲットの需要に適した時期に発送するようにしましょう。
BtoC(一般顧客)向けDMを送るタイミング
新生活のスタートとなる時期、ゴールデンウィークや衣替え、顧客の誕生月、ボーナス時期、季節や生活のイベントなどを上手く活用し、送る時期を決めましょう。
また、時期に合わせてキャッチーな文言を添えるとより反応率を高めることが可能です。
- 新生活応援キャンペーン
- 入園入学応援
- 梅雨のジメジメを吹っ飛ばせ!
- ハロウィンウィーク
- 冬の大決算
年間販促カレンダーを活用し、参考にすると良いでしょう。
2021年販促カレンダーはこちら(外部リンク)
BtoB(企業・法人)向けDMを送るタイミング
買い替え時期、予算取りの時期、閑散期、決算時期の前、新卒採用時期、ターゲットに関わる法律の施行前や、助成金・補助金の受付時期や締め切り前など
引用元:ダイレクトメール(DM)の反応率の平均は?効果測定と費用対効果UPの方法について徹底解説
ターゲットの業界の動向を見極めて発送するようにしましょう。
【番外編】WEBと組み合わせたクロスメディア戦略でDMを活用しよう
ダイレクトメール(DM)は、クチコミやサイトアクセスなどWEB誘導に効果的です。
『ダイレクトメール(DM)× WEBサイト』のクロスメディア戦略は、特に20代30代の若年層に効果が見込めます。
画像引用元:ダイレクトメール(DM)の反応率の平均は?効果測定と費用対効果UPの方法について徹底解説
第33回(2019年)のDM大賞を受賞したディノス・セシールは、DMから自社ウェブサイトへ誘導するクロスメディア戦略によりコンバージョン率を20%増やすことに成功しました。
引用元:ダイレクトメール(DM)の反応率の平均は?効果測定と費用対効果UPの方法について徹底解説
自社のWEBサイトやSNS(Twitter、Instagram、Facebook)等のQRコードを掲載し、顧客との接点を増やすことで反応率アップが可能です。
さらに、QRコードによる流入自社サイトで計測できれば、反応率アップのための改善施策も測ることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ネット主流の時代においても、ダイレクトメール(DM)に対する若年層の反応率は依然高く、WEBと組み合わせることで協力な集客ツールになることが分かりました。
来店誘導や問い合わせ、自社WEBサイトへ誘導するクロスメディア戦略を行うことにより、時代に合ったプロモーションが可能です。
反応率や費用対効果など効果測定を定期的に行い、反応率アップを目指しましょう。