新型コロナウイルス流行以降、衛生環境の関心は非常に高まってきており、身の回りのあらゆるものに対して「清潔なのかどうか？安全かどうか？」気に掛けるお客様が増えています。
顧客の手元に届けるDMも例外ではなく、抗菌作用のある「抗菌印刷」でDM作成することで、企業の安全に対するこだわりや取り組みをアピールできます。
今回は「抗菌印刷」の効果と、抗菌DM作成を依頼可能な業者について調査しました。
顧客の手元に届けるDMも例外ではなく、抗菌作用のある「抗菌印刷」でDM作成することで、企業の安全に対するこだわりや取り組みをアピールできます。
今回は「抗菌印刷」の効果と、抗菌DM作成を依頼可能な業者について調査しました。
抗菌印刷とは？
抗菌印刷とは、チラシやカタログ、パンフレットといった印刷物の表面に抗菌剤入りの特殊な印刷ニスをコーティングし、抗菌効果の高い製品に仕上げる印刷方法のことをいいます。
従来の抗菌処理方法は印刷素材に抗菌剤を混ぜる「練り込み方式」でしたが、素材が高価なうえ、表面を印刷インキで覆うために抗菌効果が弱くなるという欠点がありました。
一方「抗菌印刷」は、抗菌剤入り印刷ニスを表面コーティングすることにより抗菌剤の層が形成され、抗菌効果が非常に高く衛生的ですし、練り込み方式に比べ費用も安く抑えることができます。
抗菌印刷における抗菌の定義
抗菌の定義は、経済産業省が作成した「抗菌加工製品ガイドライン」で「抗菌加工した製品の表面上の細菌の繁殖を抑制すること」と定義されています。
また、JIS規格（日本産業規格）では「加工されていない製品の表面と比較して、細菌の増殖割合が100分の1以下である場合、その製品に抗菌効果がある」と定められています。
細菌を長時間増やさない様にすることを「抗菌」と言い、細菌を一時的に死滅・除去する殺菌や除菌、滅菌とは区別されます。
| 抗菌 | 滅菌 | 殺菌 | 消毒 | 除菌 |
| 製品の表面上における細菌の増殖を抑制すること。 | 微生物を完全に死滅させること。 | 細菌やウィルスなどの微生物を死滅させること。 | 微生物のうち病原性のあるものを全て殺滅・除去してしまうこと。 | ある物質又は限られた空間より微生物を除去すること。 |
抗菌印刷の効果
「抗菌印刷」の主な効果は以下の通りです。
- 感染症を引き起こす大腸菌の繁殖を防ぐ
- 毒素を産生する黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぐ
- インキの匂いを抑える防臭効果
- 防虫・防カビ効果
- 光沢が増し汚れや摩擦にも強くなる
- 変色を抑える耐光性が増す
画像引用元：株式会社グラフ
画像引用元：芳武印刷株式会社
財団法人日本食品分析センターが行った試験結果によると、「抗菌印刷」した試験片は「抗菌印刷」を施さなかった試験片に比べ、大腸菌・黄色ブドウ球菌の増殖がほとんど検出されなかったようです。
また、一般社団法人 抗菌製品技術協議会（SIAA）にて抗菌加工製品として登録された「エコハートS におわなインキ（抗菌ニス）」を塗った印刷物も同様、大腸菌・黄色ブドウ球菌がほとんど検出されませんでした。
【エコハートS におわなインキ（抗菌ニス）の効果】
- 大腸菌：試験直後に約14,000個だった菌が、24時間後に無加工で約1,000,000個に繁殖したが、エコハートS におわなインキでは検出できない状態まで減菌。
- 黄色ぶどう球菌：試験直後に約13,000～14,000個だった菌が、24時間後に無加工でも800～5,000個まで減菌が、エコハートS におわなインキでは検出できない状態まで減菌。
「抗菌印刷」を施すことで、感染症を引き起こす大腸菌・毒素を産生する黄色ブドウ球菌の増殖を抑えることが可能となり、感染症予防に効果的であることが分かります。
抗菌印刷のメリット
「抗菌印刷」を施すことで得られる企業側のメリットは以下の通りです。
- 「清潔なのかどうか？安全かどうか？」といった消費者の不安を解消できる
- 抗菌力に優れており、安全性を訴求することができる
- 印刷直後の強いインク臭が抑えられるため、印刷物を印刷後すぐに配布可能
- 安全性に配慮していることがアピールでき企業イメージを高めることができる
- 安全性を保証するマーク（後述）を印刷物に印字することができ、他社と差別化が図れる
近年、安全性や抗菌性が各所で注視される中、「抗菌印刷」は企業のイメージアップ、更には顧客の信頼を勝ち取るための重要な手段になるかもしれません。
抗菌印刷の証
画像引用元：今だからこそ【抗菌ＤＭ】をお勧めします！！
一般的に「抗菌印刷」か否かについて、一般社団法人 抗菌製品技術協議会のSIAAマークの記載があるかどうかが目安になります。
SIAAマークは以下の3つの基準を満たした製品にのみ表示が認められています。
【SIAAマーク3つの基準】
- 抗菌性：抗菌加工されていない製品の表面と比較して、細菌の増殖割合が100分の1以下であること。
- 安全性：抗菌製品技術協議会が独自に決めた安全性基準を満たしていること。
- 適切な表示：抗菌剤の物質名、加工部位を明示していること。
SIAAマークはSIAA会員以外は使用できないことになっていますので、抗菌DMを作成する場合にはSIAAマークが表示可能なSIAA会員の印刷会社・DM発送業者に依頼しましょう。
SIAAマークがあることにより、印刷物に抗菌の高付加価値をつけることができ、競合他社との差別化を図ることができます。
抗菌DMを依頼可能な業者４選
DM発送代行会社 ジャパンメール
DM発送代行会社 ジャパンメールでは、「抗菌印刷」を施したSIAAマーク表示の印刷を依頼することが可能です。一般社団法人 抗菌製品技術協議会（SIAA）にて、抗菌加工製品として登録された「エコハートS におわなインキ（抗菌ニス）」を使用しています。
また、デザイン〜発送作業まで任せたい工程を依頼することができますので、「抗菌印刷」でDM作成した後のリスト抽出〜発送まで依頼することも出来ます。
株式会社小松総合印刷
長野県を拠点とする株式会社小松総合印刷でも、DMの「抗菌印刷」が可能です。
DM発送作業も可能と謳っておりますので「抗菌印刷」と併せて発送作業についての見積もりも一度依頼をしてみると良いでしょう。
株式会社グラフ
印刷プリント、ノベルティ作成、WEB制作などの事業をメインとする株式会社グラフでは「抗菌印刷」の依頼が可能です。まずは抗菌印刷サンプルを取り寄せてみるとよいでしょう。ただし、DM発送専門業者ではありませんので株式会社グラフで依頼できるのは印刷までとなります。
芳武印刷株式会社
芳武印刷株式会社は「抗菌印刷」強みとしている印刷会社です。
チラシやポスターのほか様々な「抗菌印刷」事例を多数掲載しています。こちらも印刷会社になりますので、「抗菌印刷」のみ依頼し発送作業は自社で行いましょう。
まとめ
新型コロナウイルスによって私たちの生活は大きく変わりました。
安全性が各所で叫ばれるようになり、個々人の予防意識も高まってきています。
業界各社がコロナ対策が必須となっている昨今、直接顧客の手元に残るDMも例外ではありません。
自社の意識の高さをアピールし顧客に信頼感・安心感を持ってもらえるよう「抗菌印刷」をDMにうまく活用できると、他社との差別化を図れるでしょう。
