ヤマト運輸

「クロネコDM便」は商品・サンプルが送れません!約款変更について詳しく解説

カタログやパンフレットなどを格安で送れるヤマト運輸のクロネコDM便は、今ではダイレクトメールの発送に欠かせない発送手段のひとつとなっています。
しかし、2018年4月1日の規約変更に伴い「クロネコDM便」では商品やサンプルを送ることができなくなりました。
今回はこの「クロネコDM便約款変更」について詳しく調査・まとめました。

2018年クロネコDM便約款の変更について

2018年4月1日「クロネコDM便約款」にて「クロネコDM便」で送れないものについて
「荷送人が販売目的で出荷する荷物」
「荷受人の希望をもとに出荷される荷物(サンプル品、試供品・ノベルティなど)」
の2点が追加されました。

クロネコDM便約款第7条9項【DM便では送れないもの】
① 現金及び小切手、手形、株券その他の有価証券類
②再発行が困難な受験票、パスポート、車検証類
③再生不可能な原稿、原図、テープ、フィルム類
④クレジットカード、キャッシュカード等のカード類
⑤遺骨、位牌
⑥花火、シンナー等、発火性、引火性、発揮性のあるもの
⑦銃砲刀剣類
⑧毒物及び劇物類
⑨動植物
⑩複数の個人情報が内容物に含まれたもの
⑪荷送人が販売目的で出荷する荷物
⑫荷送人が取り扱う商品等の販売促進を目的として発送する荷物のうち、荷受人の希望をもとに出荷される荷物(サンプル品 、試供品 、ノベルティなど )

引用元:【クロネコDM便で商品やサンプルが送れない?①】
※「約款(やっかん)」とは

1. 条約・契約などに定められている個々の条項。
2. 保険や運送など不特定多数の利用者との契約を処理するため、予め定型的に定められた契約条項。保険約款・運送約款など。

引用元:【クロネコDM便で商品やサンプルが送れない?①】

クロネコDM便約款で追加された送れないもの

  • 「荷送人が販売目的で出荷する荷物」
  • 「荷受人の希望をもとに出荷される荷物(サンプル品、試供品・ノベルティなど)」

の2点について詳しく見ていきましょう。

「荷送人が販売目的で出荷する荷物」とは?


「荷送人が販売目的で出荷する荷物」とは、主にECサイト・通販サイトなどが顧客に発送する商品のことを指します。

クロネコDM便は、ポスト投函にはなるものの、最大1kgまで送ることができ、数ある配送方法の中で送料の安さが特徴です。
宅急便を使えば最も小さなサイズ(60サイズ)の荷物でも700円以上はしますが、クロネコDM便なら1個あたりの上限は164円となっておりヤマト運輸との契約次第では更に安くすることも可能です。

しかし、通販サイトなどが「ハンカチや靴下は嵩張らず1kg以内だから」という理由で、クロネコDM便で商品を発送することは出来ません。

クロネコDM便は、メール便サービスの廃止に伴い、後継サービスとして提供されており「カタログやパンフレット以外入れてはダメ」というルールがありました。
しかし、送料の安さからクロネコDM便で商品を送るEC業者が後を絶たず、再度「販売目的で出荷する荷物は受け付けない」という通達が出されました。

また、配達精度も宅急便に比べクロネコDM便の場合は送達までに4日間かかりますしポスト投函ですから時間指定などありません。荷物の紛失や破損に対する補償もありません。

以上のことから、「荷送人が販売目的で出荷する荷物」をクロネコDM便で送ることはできませんので注意してください。

「荷受人の希望をもとに出荷される荷物(サンプル品、試供品・ノベルティなど)」とは?


「荷受人の希望をもとに出荷される荷物(サンプル品、試供品・ノベルティなど)」とは、化粧品会社のCMで視聴者に試供品・サンプルの無償提供をPRするCMを見たことがあると思いますが、視聴者がその化粧品を電話やネットを使って試供品・サンプルの配送を依頼した場合に出荷される荷物のことを指します。

ただしこれとは逆に、受取人が依頼してもいないダイレクトメールの中に試供品やサンプルが封入されていたというケースは、受取人の意思に関係なく不特定多数の人にダイレクトメールを送り、目を引くために試供品やサンプルを同封しているのであって、この場合はクロネコDM便でも送ることができます。

試供品やサンプルが、荷受人(依頼者)の希望をもとに出荷される荷物の場合は、クロネコDM便では送れないため注意しましょう。

「DM便約款変更」の背景


画像引用元:トピックス ブラック労働情報 労働時間・過重労働

2018年4月1日のクロネコDM便約款変更、その背景には物流業界の人手不足と長時間労働の是正があります。

引用元:【クロネコDM便で商品やサンプルが送れない?④】

物流業界の送料は、荷物の形状・重量・物量、さらに距離と配達スピードが加味されて決まりますが、中でも一番のポイントは物量となっており、物量が多ければ多いほどボリュームディスカウントが利くというのが物流業界の常識でした。

これに加えヤマト運輸は、翌日配達や時間指定など低価格かつ高品質なサービスを追求し、クライアントの要望に応えてきましたが、その結果、従業員やドライバーは長時間勤務を強いられ、早期離職者も後を絶たないことから、さらなる人手不足を生むという悪循環に陥っていました。

以上のことから、ヤマト運輸は従業員の労働環境や長時間勤務を是正するためコストに見合ったサービスを提供するため「クロネコDM便約款変更」など価格やサービス内容の見直しを図っているようです。

まとめ

「クロネコDM便」では商品やサンプルを送ることができなくなりましたが、その背景はヤマト運輸が業務・サービス改善に努めている結果であることが分かりました。
物流業界の人手不足問題がかなり深刻化していることを考えても、今後も引き続き約款の変更や料金の引き上げがあることを利用者は覚悟しておく必要がありそうです。

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