大量のダイレクトメールの発送をお考えの方の中には、安く印刷できるネットプリントをご検討の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ネットプリントには、印刷だけでなく印刷したDMの発送を代行してくれるところもあり、DMに特化したサービスを扱う会社も増えています。
しかし、ネットプリントはデザインデータの作成や入稿作業など素人には複雑な作業が多くあります。今回はネット印刷のメリット・デメリット、トラブル回避の方法についてご紹介します。
ネット印刷とは?
画像引用元:ラクスル
「ネット印刷」とは、デザインデータ(完全データ)を用意すればインターネットで注文・入稿するだけで印刷物してくれるサービスです。
印刷だけでなく、DM発送まで依頼できるサービスもあります。
ネット印刷3つのメリット
メリット1:コストが安い
ネット印刷はデータのみのやりとりとなっておりオペレーションを効率化しています。そのため印刷代も通常の印刷会社で行うよりも割安です。安いからといって品質が悪いわけではなくプロの印刷会社同様の印刷機を使用して印刷するため仕上がりもキレイです。
メリット2:24時間365日いつでも発注できる
ネット印刷は、インターネット注文が基本なので24時間いつでも発注することが可能です。急ぎで印刷依頼をしたい場合にオススメです。
メリット3:印刷が早い
ネット印刷の多くが最短当日発送を謳っています。印刷のみを依頼する場合には、データを入稿したその日に印刷し手元に届けてくれます。
※DM発送やポスティング、新聞折込などは地域により発送日が異なります。
ネット印刷6つのデメリット
DMのデザイン考えるのむずい。
— yumikokurimoto (@Yumikurimo) March 11, 2011
DMつくってるけどデザインあんまやったことないからむずい
— 🐠🐠 ⓜⓘⓤ㌠ 🐬🐬 (@plasticsun666) January 2, 2019
ネット印刷では、デザインデータ(入稿データ、印刷データ)を依頼主自身が作成する必要があります。DMの開封・閲読率は一般的に79.4%となっていますが、読まれるDM・開封されるDMのデザインにはコツがあります。
DM(ダイレクトメール)デザインとレイアウトのコツ【事例付き】
ネットプリントの中にはテンプレートの中からデザインを選べるものもありますが、自社の顧客に最適なデザイン、キャッチコピー、訴求内容をよく検討しないと他のDMに埋もれてしまうだけでなく訴求力も落てしまい無駄打ちになってしまいます。
せっかくコストをかけるのですから、顧客が思わず読みたくなるデザイン、来店やアクセスに繋がるデザインを制作することが重要です。
デメリット2:入稿作業が大変
DMの入稿に失敗してしまい
仕上がりがえらい遅れて
しまつた………_| ̄|○てことで、来月の
ななまめマルシェは14日
12時からです〜\(^o^)/ pic.twitter.com/9Q8PrEXisB— nutsmegmeg★ (@nutsmegmeg) May 28, 2013
やっと個展のDM入稿できた。
毎回サイズとか解像度失敗してしまうう— ito ayaka (@ajaaaja1) September 5, 2019
ネット印刷では、デザインデータを入稿する作業も依頼主自身が行う必要があります。
入稿とはデザインデータを印刷会社に渡すことを言い、入稿時に渡すデータを入稿データと言います。
Illustrator、Photoshop、WordやExcel、PowerPointなどでデザインしたものをそのまま印刷用の入稿データとして使うことはできません。印刷を依頼する際には入稿データを用意する必要があり、様々な条件をクリアする必要があります。
【入稿データのチェックリスト例】
画像引用元:キングプリンターズ
印刷の知識を持たない方にとって専門用語が多く並ぶマニュアルを解読するのは難しい作業となり大幅に時間がかかってしまいます。また、入稿条件を満たしていないと画面通りに印刷されず、間違った見え方で印刷されてしまう場合があるため注意が必要です。
デメリット3:入稿方法など聞きたい時に問い合わせが繋がりにくい
画像引用元:グラフィック
ネット印刷の入稿時に不明点があった場合、問合せ用の電話番号は載っていますが電話を掛けてもまず通話中で繋がりませんし、メールで問合せしても返事が届くまでに2~3日かかるケースもあります。
先述した通り、ネット印刷はネットでのデータのやりとりに絞っているため、作業方法など確認したい場合や入稿データに不備がないか確認したい場合でもWebサイトを読み込み自力で解決する必要があります。
デメリット4:仕上がりが事前に確認できない
今日はコミティアで配布する無料DM
入稿したー!失敗してないかな💦
ドキドキ(>_<)— HINATA.☀️🦖🦕誰かのココロがぽっかぽかになりますように (@v_3hinata4_v) April 14, 2017
やっとDMデータ入稿完了・・今回は枚数が多いから失敗すると痛すぎる。頼むから上手くいってくれよ・・
— 戸塚 鑑二 (@Kanji_Totsuka) April 14, 2011
ネット印刷では、事前に仕上がりを確認できません。
間違ったデータや入稿チェックに不備があるデータを渡してしまった場合、通常の印刷会社やDM発送代行業者であれば事前にデータチェックや修正のアナウンスをしてくれます。
しかし、ネットでのやりとりで完結するネット印刷ではアナウンスされることなく、不完全なデータであってもそのまま印刷されてしまいます。
データで見たDMと実際に印刷したDMとで仕上がりが異なってしまっても自己責任となってしまい、刷り直しに無駄なコストが発生してしまいます。
デメリット5:宛名リストを用意しなければならない
印刷だけでなくDM発送まで依頼する場合には宛名リスト(送り先リスト、顧客リスト)を事前に用意する必要があります。
住所や名前を把握している既存顧客に送る場合には宛名リストを入稿することで発送依頼が可能ですが、新規顧客・見込み顧客へ送りたい場合には発送依頼ができません。
また、宛名リストを自社で用意できる場合でも、ネット印刷が独自に用意するテンプレートに書き出す必要があります。
その点、DM発送代行業者は自社に最適な宛名リストを作成してくれたり、宛名不要で遅れるタウンプラス・タウンメールの利用が可能です。
デメリット6:色にこだわる場合や大量の印刷には不向き
ネット印刷は複数の印刷物をまとめて刷るため、個々の細かな色調整は出来ません。また、毎回同じ印刷機を使って刷るわけではないので、全く同じデータで入稿しても、その都度色合いが微妙に異なる(印刷機の特性によるもの)場合があります。
引用元:ジャパンメール
また、大量の印刷物(5万部以上)になると一般の印刷会社との価格差はほとんどなくなりますし、万一印刷ミスや納期に遅れなどがあった場合、再印刷は可能ですが金銭面での補償はありません。
色にこだわる場合や大量の印刷物、また納期の遅れが損害に繋がるといった場合にはネット印刷は避けた方がよいでしょう。
ネット印刷のトラブル事例
データチェックのトラブル、納期の遅れ
1週間ほどの納期の予定だったのですが、データ内容にミスがあったという連絡がとても遅く、メールが届いたのが入稿して4日後くらいでした。その後の対応もなかなかスムーズに進まず、納期が3~4日程度遅れてしまいました。
確かに確認したはずなのに、入力データが無いと連絡があった。相手側のミスではないかと質問したが対応してくれず、結局もう一度送信することになり、手間がかかった。まさかデータが無くなるとは思っていなかったので、ネット上でのデータのやり取りに不安を感じた。
引用元:ネット印刷でのトラブルにはどんな例がある?口コミから検証
サイトが分かりづらく、必要な情報を得るのにサイトをぐるぐる。。。
データを作るにしても分かりづらく、その後入稿作業を行いましたがエラーが出てしまい、エラーを直して再度入稿してもまた同じエラーが出ました。
引用元:みん評
カスタマーサポートの対応の悪さ
あとは納品を待つだけだったのですが、突然2日程度納期を遅らせて欲しいという旨のメールが届きました。納期が遅くなる分、安くなると思ったのですが値段はそのまま変わらず。問い合わせの電話をするも全くつながりませんでした。
引用元:ネット印刷でのトラブルにはどんな例がある?口コミから検証
カスタマーセンターがなかなか繋がらない。カスタマーセンターが混みあってて大変だというのであれば、メール質問にきちんと対応すればいいのに、いつまで待っても返答メールが来ない。社員の人と電話で会話しましたが、言い訳が多く、自分の会社の非を認めない。自己弁護をしてくる。
引用元:みん評
品質について
色味の感覚をメールなどでやりとりしていてもなかなか意思疎通が出来ず疲れました。悪くはなかったのですが期待が大きかったです
引用元:【最新】ネット印刷(通販)の口コミ(評判)ランキング
ネット印刷のトラブルを回避するには?
ここまでネット印刷のメリット・デメリットやトラブル事例をご紹介してきましたが、トラブルを事前に回避する方法はあるのでしょうか?
ネット印刷にこだわりたい方は、以下の点に注意しておくとよいでしょう。
- ネット印刷はトラブルがあることをあらかじめ想定しておく
- 納期に余裕を持って早めに注文する
- 電話がつながらない、メールの返信が遅い可能性があるので早めの連絡を
- ネット印刷を選ぶ際には事前に口コミを確認する
- 送料がかかることを前提に価格計算をしておく
以上のことに注意してもネット印刷のトラブル自体を回避するのが難しい場合があります。初めての場合は特に「DM発送はDM発送代行業者に依頼するのがベスト」です。
ネット印刷とDM発送代行業者
DM発送におけるネット印刷とDM発送代行業者の違い
ネット印刷 | DM発送代行業者 | |
---|---|---|
DM印刷を依頼できる | ◯ | ◯ |
DM発送まで依頼できる | ◯ | ◯ |
デザインの相談ができる | × | ◯ |
専任の担当者がつく | × | ◯ |
価格交渉ができる | × | ◯ |
入稿データのチェックをしてもらえる | × | ◯ |
事前に仕上がりが確認できる | × | ◯ |
困ったらすぐに相談できる | △ | ◯ |
万が一のトラブル時の保証がある | × | ◯ |
上記を見ていただいてわかる通り、ネット印刷は印刷のオペレーションをネット受付のみに絞っているため安く依頼できる一方手厚いサービスはありません。
DM発送代行業者はDMに特化しているため、DM発送におけるノウハウに長けており仕上がりやデザイン、料金など最適な提案をしてくれます。
また、自社に訪問してくれるケースもあり分からないことや価格についても直接相談することが可能です。
初めてのDM発送の場合は特に、ネット印刷では入稿データの作成が大変難しく事前に仕上がり確認もできないため納期の遅れや印刷ミスが発生しやすくなります。
安さが最大の魅力のネット印刷ですが、思わぬコストが発生してしまうケースもあるため、まずはDM発送代行業者に依頼し一度DM発送の流れを把握することをオススメします。
初めてのDM発送にオススメのDM発送代行専門業者3選
株式会社ジャパンメール
画像引用元:株式会社ジャパンメール
リピート率97.8%の実績があるジャパンメールは、東京都内を中心に全国対応のダイレクトメール発送専門業者として業界最安値に挑戦しています。
専任の担当者がつき(訪問してくれす場合もあり)最安の印刷・発送方法を提案してくれるだけでなく、宛名リストが無い場合でも自社の顧客に最適なリスト作成やリスト無しでDM発送可能なタウンメールやタウンプラスも依頼できます。またデザイン制作サービスもあるため、初めてのダイレクトメール発送でも安心です。
【問い合わせ時の感想】
見積もり依頼後すぐに折り返しの電話、メールで見積書の提案あり。発送内容の確認だけでなく、安く発送するためのコツやノウハウを教えてくれます。提案力に優れており、メールでは通常の見積もり書の他に、こちらの要望を汲み取ったうえで低コストにする提案がされた見積書の2枚を送付してくれました。
DM診断
画像引用元:DM診断
DM診断は、DMの品質に関わるクリエイティブ・印刷行程や宛名印刷行程とは切り離し、DM発送行程だけに特化しているため安くDM発送を依頼できることが可能です。オプション料金はかかりますが当日発送も対応しているためお急ぎの方にオススメです。
【問い合わせ時の感想】
見積もり依頼後、すぐに折り返しの電話、メールで見積書の提案あり。親身な姿勢で、こちらの事業への理解を深めようとしてくれただけでなく、「応援しています」と言葉を添えてくれました。料金や形状(ハガキが良いのか封筒が良いのかなど)細かな質問にも真摯に対応してくれました。
DM発送おまかせ便
画像引用元:DM発送おまかせ便
DM発送おまかせ便は、ヤマト運輸などと特別契約運賃で契約することによって料金を大きく抑えており、印刷から発送までのサービスを一環して行う事でコストを下げることが可能です。
【問い合わせ時の感想】
web問い合わせフォームでは、「メールでの返答」「FAXでの返答」「電話での返答」から返答方法を選ぶ方式。当日中にメール返信があり、メールでの見積もり返答では見積もり書のほかに今後の流れについて解説してあり初心者でも分かりやすかったです。
まとめ
今回はネット印刷のメリット・デメリットやトラブル事例についてご紹介しました。
24時間いつでも手軽にネットだけでDM印刷、発送まで依頼できるネット印刷ですが、その入稿方法は複雑で初めてDM発送をする方は難しいと感じるかもしれません。
ネット印刷だけでなく、デザインや入稿データの相談、料金の交渉など親身になってくれるDM発送代行業者も合わせて検討してみることをオススメします。