DMマーケティング

One to One DMを可能にするバリアブルDMのメリットや導入事例、実践方法をご紹介

顧客の価値観が多様化している今、販促活動において顧客一人ひとりに合わせてカスタマイズしたアプローチを展開するOne to Oneマーケティングが必要とされています。この潮流はDMマーケティングにおいても同様となっており、One to Oneマーケティングを実現する手法の一つとしてバリアブルDMがあります。
今回はOne to One DMの概要と、One to One DMを可能にするバリアブルDMのメリットや導入事例、実践方法についてご紹介いたします。

One to One DMとは?

作図参照元:One to Oneマーケティングとは?3つの要素と活用法

One to One DMとは、顧客情報から一人ひとりに最適な「ニーズに合った内容」を掲載し1通1通異なる内容で印刷・発送するDMのことを言います。

これまでのDMは顧客全般に一律の内容を送付することが一般的でした。
しかし、顧客一人ひとりに最適な情報を提供できないDMは訴求力が弱く、毎日大量のDMが届く中で「自分向けではない」「私には関係がない」と捨てられてしまうケースも多くありました。
One to One DMは顧客一人ひとりに最適な内容を訴求することができるため、従来のDMに比べ開封・閲読率が高く集客力UPや売上UPが期待できます。

One to One DMを可能にするバリアブルDM

顧客一人ひとりに最適な情報を提供するOne to One DMを実現させる手段にバリアブルDMがあります。

バリアブルDMとは?

画像引用元:DMステーション

バリアブルDMとは、宛名ごとに紙面の内容を差し替えて印刷することができるDMのことで可変印刷DMとも言います。
バリアブルDMでは、テキスト/画像/バーコード/QRコードなどを一枚一枚差し替えて印刷できるため、顧客の過去の購入履歴から最適なキャンペーンを訴求したり顧客一人ひとりのニーズや嗜好に合わせたメッセージを訴求することが可能です。

バリアブルDMでできることは主に以下の通りです。

  • 顧客の名前を入れたあいさつ文
  • 顧客の嗜好に合わせた商品紹介
  • プレゼントキャンペーンの抽選番号の記載
  • 個別クーポンコードの記載
  • 申込ハガキに顧客情報を予め印字
  • QRコードで専用サイトへ誘導
  • 対象エリアに該当する店舗住所の表示

など

バリアブルDMの4つのメリット

1.顧客をセグメントし効果の高い訴求内容で展開できる

同じ内容のDMを一律に送付しても中々反応が得られなかった場合でも、バリアブルDMは一人ひとりの嗜好に合わせてパーソナライズした内容を送付することができるので訴求力が高く反応率UPが期待できます。
例えば、飲食店来店を訴求する場合

  • 女性向けDMでは『低糖質ヘルシーランチ』メニューの紹介
  • 男性向けDMでは『ボリューム満点!低価格ランチ』メニューの紹介

にするなど、バリアブルDMでターゲットに最適なキャッチコピーや画像を掲載することで反応率を高めることができます。

2.捨てられるリスクを回避し販促効果を高めることができる

DMは「自分にとって役に立つかも」「お得かも」と思ってもらえなければゴミ箱行きなってしまうことも少なくありません。
バリアブルDMではターゲットによってキャッチコピーや画像を変えてDM送付することができるので
例えば、同じサプリメント商品を訴求する場合

  • 女性向けDMでは『美容と健康をサポート』のキャッチコピー
  • 男性向けDMでは『免疫力の低下に悩んでいませんか』のキャッチコピー

にするなど、ターゲットに最適な内容を掲載することで「これは自分にぴったりの内容だ」と思ってもらうことができ、捨てられるリスクを回避し販促効果を高めることができます。

3.効果測定がしやすくDMの精度を高めることができる

バリアブルDMでは一通一通個別QRコードを印刷することができます。
さらに、トラッキングが可能なURLを含んだ個別QRコードでお客様専用のWEBページやメールフォームに誘導し行動を追跡させることができるので

  • アクセスの有無(QRコードが読み込まれアクセスされたかどうか)
  • 到達率(広告や専用WEBサイトがどのくらいの人に見られたか)
  • コンバージョン率(WEBサイトを訪れたユーザーのうちどのくらい申込み・問合せなどに至ったか)

などの効果測定が容易になります。
効果測定が難しかった従来のDMに比べ、QRコードやキャンペーンコード、クーポンコードを個別に印刷できるバリアブルDMでは「発送したDMからどれくらいアクセスがあったのか?」が計測しやすくDM施策の精度を高めることができます。

4.顧客にとって最適なタイミングでDM送付できる

画像引用元:バリアブル印刷サービス One to One DM

顧客の購買意欲が低い時期にDMを送っても反応は得られにくく費用対効果がよくありません。DM発送会社により異なりますが、バリアブルDMサービスを展開している発送会社の多くは顧客データの購買履歴などをもとに、より購買意欲の高い時期を狙ってDMを送ることを推奨しているので、顧客にとって「今買おうと思っていた」「そろそろ来店しようと思っていた」など適切な時期にDM送付することが可能です。

One to One バリアブルDMの事例

バリアブルDMを利用してOne to One DMを実現した事例を見ていきましょう。

事例1:顧客のセグメントに基づきターゲットごとに商品画像差し替え

飲食店DMでは女性にはヘルシーなメニュー、男性にはビールや嗜好品、家族向けには大皿メニューなどの画像を掲載しターゲットごとにキャッチコピーを変えています。
これにより一律で発送されたDMよりも訴求力が高まり来店を促すことができます。

事例2:ターゲットごとにQRコードを差し替え各サイトへ誘導

画像引用元:株式会社FID

同じ商品でもターゲットごとにイメージ画像やキャッチコピーを変えるだけでなくQRコードも差し替えることにより、ターゲットに最適なWEBコンテンツへの誘導が実現できクリック率・購入率の向上が期待できます。

事例3:会員ごとに保有ポイントや有効期限を差し替え

画像引用元:DM本舗

会員向けDMでは顧客の保有ポイントやポイント有効期限を差し替えることで、ポイント失効前の来店や購入を促すことが可能です。

バリアブルDMでOne to One DMを実現させるには?

STEP1:顧客情報を収集しセグメントする

画像引用元:ONEtoONEフルバリアブルDM

世代・性別・職業・購入履歴・好みなどの顧客データをできる限り収集し細かくセグメントします。同じ性別や世代であっても、購入履歴や収入によって訴求する商品・サービスが変わるので、できる限り細かくセグメントしましょう。

STEP2:セグメントに沿って訴求内容を複数パターン用意する

セグメントに沿ってターゲットに最適な訴求内容を検討します。

【健康食品DMの場合】
40代/女性/購入履歴1回/購入単価(低価格帯商品)
→セット購入、まとめ買い割引
40代/女性/購入履歴3回/購入単価(高価格帯商品)
→定期購入キャンペーン

この時、セグメントしたターゲットが求めていることは何か?を基準に訴求内容を検討すると一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションが可能となり訴求力を高めることができます。

STEP3:指示書を用意し印刷会社に依頼する

ベースとなる台紙のデータからターゲットごとに差し替える箇所(可変部分)のレイアウト指示書と見本を予め用意し印刷会社に依頼します。
挨拶文などで1通1通お客様の名前を変えたい場合は名前のデータベースを、写真や画像ファイルを可変したい場合には事前にすべて同じ画像サイズにトリミング調整しておきましょう。また、文字数によってレイアウトが崩れないよう可変するキャッチコピーや本文の文字数は統一しておきましょう。
詳しくは依頼する印刷会社やDM発送会社に事前にご確認ください。

デザイン〜発送まで依頼できるDM発送専門会社に任せるのが安心

「セグメントできているか不安」「ターゲットへの訴求方法が適切か分からない」「印刷会社への指示書の書き方が分からない」といった場合には、デザイン〜発送まで一括で依頼できるDM発送専門会社に任せるのが安心です。
DM発送専門会社は毎月大量のDMの印刷・発送を行っているためDMに関する知識が豊富なうえ、専任のデザイナーが常駐している会社であればデザインを相談することもできます。

バリアブルDMの印刷・発送を依頼できる会社3選

1.株式会社ジャパンメール

画像引用元:株式会社ジャパンメール

リピート率97.8%の実績があるジャパンメールは、バリアブルDMの印刷〜発送まで一括で依頼可能です。東京都内を中心に全国対応のダイレクトメール発送専門業者として業界最安値に挑戦しており、専任の担当者がつくため初めてのダイレクトメール発送でも安心です。

発送スピード 最短3日発送
ハガキDM1通の最安値 54.1円〜(送料込/両面カラー印刷/宛名印字)
※条件により異なる
小ロット対応 10通~
デザイン依頼 デザイナーと1から相談できるフルデザイン、イメージラフ案や写真・参考資料などの「素材」を基にデザインを制作するシンプルデザインが可能。
公式サイト https://www.japanmail.co.jp/

2.DMステーション

画像引用元:DMステーション

株式会社フジプラスが運営しているDMステーションでは、バリアブルDMの印刷〜発送まで依頼可能です。ハガキDM1通が54.7円〜となっており、レーザー加工を施したデザイン性の高いDMの依頼もできます。

発送スピード 最短5営業日発送
ハガキDM1通の最安値 54.7円〜(送料込/両面カラー印刷/宛名印字)
※条件により異なる
小ロット対応 100通~
デザイン依頼 文字原稿やデザインイメージ、レイアウトを用意すればデザイン作成依頼が可能。美容業界向けにはテンプレートも用意されている。
公式サイト https://fujiplus.jp/dm/index.html

3.セルマーケ

画像引用元:セルマーケ

リピート率92%の実績があるセルマーケは、バリアブルDMの印刷〜発送まで一括で依頼可能です。セルマーケからデザイン依頼はできませんが、運営会社のディーエムソリューションズ(株)からデザイナーを案内してもらえるようです。

発送スピード 最短3営業日発送
ハガキDM1通の最安値 48.4円〜(送料込/両面カラー印刷/宛名印字)
※条件により異なる
小ロット対応 100通~
デザイン依頼 セルマーケではデザイン制作の注文は受け付けできないが、運営会社であるディーエムソリューションズ(株)には専属デザイナーが在席しているので営業担当より案内可能。
公式サイト https://sellmarke.jp/

まとめ

顧客一人ひとりに最適な情報を適切なタイミングで発信する方法は、紙DMの他にEメールマガジンもあります。
しかし、一般社団法人日本ダイレクトメール協会の調査によるとEメール開封率15~20%に対しDM開封率は74%と大きな差があります。
さらに、DMの行動喚起率(ネットで調べた、話題にした、購入・利用したなどの行動)は22.4%となっておりDMを受け取った方の実に約5人に1人が何かしらの行動に出ているという結果が出ています。
販促活動において顧客一人ひとりに合わせてカスタマイズしたアプローチを展開するOne to Oneマーケティングが求められている今、One to One バリアブルDMを活用して費用対効果の高い販促活動を展開していきましょう。

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