営業活動において、オンライン以外の集客方法として主流となっているのは、新聞折込み・ポスティング・ダイレクトメール(DM)があります。
いざ集客をしたいと思った時、この3つのうちどの方法が最適なのでしょうか?
それぞれの方法に違いがわからないと集客の結果が予想に反する場合もあるかもしれませんので、各々の特徴を理解しておく必要があります。
今回は、この3つの集客方法の基本と特徴について解説していきます。
購読者に見てもらえる可能性がある折込
折込みとは、新聞の間に折り込まれているチラシ類のことを主に指します。
折込まれているチラシによってターゲットを集客する方法ですが、配布エリアや配布する日などを広告主側で決めることが可能です。
チラシは新聞の購読者に配布されますので、新聞を自宅で読む方には効果が高いのですが、新聞を購読されていない層には訴求が難しい集客方法となります。
折込みチラシの特徴
折込みチラシの特徴は、新聞という信頼性が高い媒体に折り込まれている広告ということで、その内容などの信頼性が高いのが特徴です。
新聞社には、広告内容に関して審査基準が設けられていることから、折り込まれたチラシの内容も広告審査が行われてから配布されますので、その内容も信憑性が高いことになります。
折込みチラシは、一般的にチラシを配布したユーザーのうち、実際に商品やサービスを利用した人数の割合は0.01~0.3%と言われ、折込みチラシ10,000枚を配布したとき、ターゲットの1~30人から反響があることになります。ただ、反響率は時期や商品サービスなどによって、変動するものであると認識しておきましょう。
折込みチラシのメリット
折込みは、新聞の購読者に情報を届けますが、情報に「本日より3日間限定!」といったような期間を設けることで即効性の高い集客が可能となります。また、新聞を配達するエリアは、それぞれの販売所で決まっていますので、地域を限定して集客をすることが可能で、大量配布ができるうえ配布単価が比較的安価な手法です。
折込みチラシのデメリット
新聞に折り込むので新聞を購読していない世帯には、情報を届けることができないこと、配布エリアと新聞名の指定はできますが、細かいターゲティングができないとか即効性の高い集客ができる反面、中長期的な効果は期待できません。
エリア指定で必要なエリアでアプローチ可能なポスティング
ポスティングとは、様々な業種の広告チラシを各住民世帯や企業などのポストへ直接投函していく集客スタイルです。
チラシを印刷するところまでは折込みと同じですが、直接ポストに投函することで、折込みとは違い様々な層へのアプローチを可能にしています。
ネット印刷の「ラクスル」の調べでは、ポスティングしたチラシのコンバージョン(商品の購入や申込み)率は全国平均0.75%で、新聞折込みの全国平均0.32%より2倍以上のコンバージョン率があるとしています。
ポスティングの特徴
ポスティングは、チラシの配布エリアを広告主が選別して行うことができるようになっています。また、新聞購読者の減少により、新聞の折り込みチラシに目を通す機会の無くなったターゲットにもポスティングによって情報をアピールできます。
ポスティングのメリットとは
ポスティングは、配布したいエリアの集合住宅や戸建て住宅などの絞り込みも可能であり、地域の店舗にとって商圏を明確にしたポスティングなら比較的低コストで行うことができます。また、低コストなので、予算に合わせて複数回の配布ができますので受け取り側が何度か見ることにより、高い効果を得られる可能性があります。
ポスティングのチラシは、ポストを開けた時点で見る可能性も高く、紙媒体のためチラシにクーポンをつけるなどすれば、受け取った側がチラシを保存する可能も高くなります。
ポスティングのデメリット
ポスティングは、一軒ずつ直接投函するため1日の配布数は限られ、一度に大量配布するのは難しいこと、また、DMとは違い、必ずしも狙ったターゲットにチラシが届くとは限りません。また、複数のチラシが投函されることでポストにチラシが溜まり、それが原因でクレームを受けることもあります。
雨など天候に影響を受けやすいのもポスティングのデメリットで、濡れてしまったチラシはほぼ読まれることがありません。
ターゲットの宛名で郵送するため、開封・閲覧の率が期待できるDM
DMとは、ダイレクトメールの略称で、自社の商品やサービスの情報をハガキや封書で送付し、営業活動のサポートを目的とするダイレクトマーケティングの手法のひとつです。
DMを送付することで、既存顧客との接触を継続し商品やサービスなどの認知度をより一層高めることが可能です。
DMの特徴
DMは、特定のターゲットを絞り込み、それぞれにマッチした情報を届けることができるため、ターゲットの情報へのアクセスが非常に高い結果が出ています。
一般社団法人日本ダイレクトメール協会の最新(2022年発表)の「DMメディア実態調査2021によると、自分宛に届いたDMの開封・閲読率は79.5%、2020年の63.1%より増加しています。
DMメディア実態調査2021 -一般社団法人日本ダイレクトメール協会-
その内、購入・利用経験がある企業・団体からのDMの開封・閲読率は93%で、購入・利用経験がない企業・団体からのDMの開封率は76.3%となっています。
このように、DM自体の開封率や閲覧率は、折り込みやポスティングより突出した数値がでており、費用対効果が得られやすいDMは郵送費用がかかるものの、どのような業種の企業でも導入しやすいマーケティング手法と言えるでしょう。
DMのメリット
DMのメリットは色々ありますが、まずは訴求できる情報量が多いということです。
併せて、封書の表面に写真やイラストで伝えたい魅力を訴求できるためイメージが伝わりやすく開封率を上げることもできます。
また、商品サンプルなどを受け取り側に届けることで、実際に商品を手に取って体験してもらえることからコンバージョン率を上げられます。
次に、送付するターゲットの地域や業種・企業規模などを把握し、細かなセグメントができるため高い効果が期待できます。
送付したDMの内容ごとのレスポンスを収集・分析することで宣伝効果を計測することも可能で、それらのデータを分析して得られた結果は、今後のマーケティング施策の参考にもなりますし、効果的なマーケティングの企画や改善に活かすこともできます。
DMのデメリット
折込み、ポスティング、DMも共通して、情報ツールの印刷費はかかりますが、ターゲットに1通送る場合、DMだと発送費用(送料)が折り込みやポスティングよりも割高です。
ただ、これはDMの開封率や閲覧率の高さを考えれば、デメリット呼ぶほどのことではないかもしれません。
まとめ
折込みやポスティングは、エリアを絞って配布することで商圏ポイントに情報を届けられ、コストを低く抑えられるメリットがありますが、残念ながら反応率を確かめにくいことや反応率が低い点が弱みです。また、ポスティングに限っては、ポスト投函した先から受けるクレームにもしっかり対応できるよう準備しておかなければなりません。
その点DMはクレームになることはありませんし、ターゲットに直接訴求できるので開封率や閲覧率が高く、顧客獲得や商品再販を目指す上で最適なマーケティング手法と言えるでしょう。