郵便やメール便などで個人・法人に直接チラシやパンフレットを届けられるダイレクトメール(DM)は、デジタルの時代においても販促や営業活動に大変有効なマーケティング手法の一つとして活用されています。
今回は、マーケティングにおけるダイレクトメール(DM)の特徴やダイレクトメール(DM)のメリット・デメリットを、その他マーケティング手法との比較を交えながらご紹介していきます。
※ダイレクトメール(DM)は、TwitterやInstagramなどのSNSで個人宛に直接メッセージを送ることを意味する「ダイレクトメッセージ」の略としても使用されていますが、この記事の中では『個人宛に宣伝目的で送られる印刷物』の意味で使用しています。
マーケティング 2つの種類
ダイレクトメール(DM)の役割や特徴は、その他のマーケティング手法と比較することで理解することができます。マーケティングは、宣伝方法の違いから「マスマーケティング」と「ダイレクトマーケティング」の2つに分けることができます。
4大マスメディアを通じて宣伝する「マスマーケティング」
「マスマーケティング」とは、不特定多数の顧客(ターゲット)を対象に同じ方法でマーケティング活動を行うことを言い、一般的に4大マスメディアと言われるテレビやラジオのCM、新聞や雑誌の広告が中心となります。
「マスマーケティング」は、大量生産・大量消費・大量販売・大量プロモーションを前提としたマーケティング手法であるため膨大な費用がかかります。
また、テレビや新聞を読まない世代が増えてきた昨今、不特定多数の顧客(ターゲット)に行う「マスマーケティング」は消費者に注意を向けさせることが難しくなってきていると言われています。
顧客に直接宣伝する「ダイレクトマーケティング」
「ダイレクトマーケティング」とは、企業が顧客に対し直接的にコミュニケーションを図るマーケティング活動のことを言い、今回ご紹介するダイレクトメール(DM)や、Eメール、SNS等での宣伝が中心となります。
「ダイレクトマーケティング」は、CMや新聞などで一方的に発信する「マスマーケティング」とは異なり、顧客の反応やレスポンスを踏まえ相手のニーズに合わせてマーケティングを行うことが出来るため費用対効果が高く、「マスマーケティング」に比べて少ない費用で宣伝することができます。
マスメディアを中心に広告宣伝を行う「マスマーケティング」は、費用が高く顧客1人1人に合わせた宣伝が難しい一方、ターゲットやニーズを絞り込みピンポイントで広告宣伝を行う「ダイレクトマーケティング」は、少ない費用で宣伝効果が得られやすく一般企業でも多く採用されているマーケティング手法となっています。
ダイレクトマーケティング 4つの種類
1人1人に丁寧にアプローチできるため顧客満足度の向上が期待できる「ダイレクトマーケティング」ですが、その手法にはテレマーケティング、Eメールマーケティング、SNSマーケティング、ダイレクトメール(DM)の4つがあります。
種類 | 概要 | 成功率(開封率) | 必要なもの |
---|---|---|---|
テレマーケティング | 電話(テレアポ)やFAXで個人宅や企業にアプローチする方法。 | テレアポの成功率はBtoBの場合約1%、BtoCは約1~2%と精度が低い。 | 顧客の電話番号 |
Eメールマーケティング | 顧客・見込み顧客にEメール(電子メール)を配信する方法。 | 平均開封率は9.7%~10%、企業と関わりが薄いユーザーの場合、5~10%程。 | 顧客のメールアドレス |
SNSマーケティング | ソーシャルメディア(SNS)上に企業アカウントを作り、情報発信やプロモーション、ユーザーとのコミュニケーションを行う方法。 | エンゲージメント率(いいね、クリック、シェアなどの反応率)は、Instagram約1.22%、Twitter約5%、Facebook約0.5~2%。 | 自社のSNS公式アカウント |
ダイレクトメール(DM) | チラシなどの広告物をターゲットやエリアを対象に個人宛に直接送付する方法。 | 開封・閲読率74%、反応率(ネットで調べた、来店した、話題にした等の行動)16.3%と精度が高い。 | 特になし |
テレマーケティングのメインであるテレアポは、多くの人員や時間を必要とするため証券会社などの大手企業で採用されています。テレアポは、大量に電話をするため膨大な顧客リストが必要であり、多くの時間を割ける企業でない場合は成約を増やすことが難しい手法です。
一方、Eメールマーケティングは、顧客のアドレスさえ取得していれば比較的低コストで導入・運用できますが、効果を得るには月に4回以上配信する必要があります。
SNSマーケティングは、興味・関心を持つ見込み顧客も集めやすいメリットがありますが、発信内容によっては批判的な意見が殺到する「炎上」が発生するリスクがあり、また、1日1回以上のこまめな情報発信が必要です。
ダイレクトメール(DM)の発送頻度は4ヶ月に1〜2回程度となっており、他3つのダイレクトマーケティングの中で最も開封率や反応率が高く、デジタルの時代においても費用対効果が高い手法だと言われています。
また、これまで主に既存顧客やリピーターへのアプローチに用いられることが多かったダイレクトメール(DM)ですが、顧客の送り先住所が不明な場合でも見込み顧客の多い地域に送付できる『タウンメール』によって潜在顧客や見込み顧客の獲得ができるようになり、幅広い客層にアプローチすることが可能です。
ダイレクトメール(DM)のメリット・デメリット
ここまで「ダイレクトマーケティング」の4種類についてご紹介してきましたが、ダイレクトメール(DM)は、顧客との信頼関係を構築する助走期間やアプローチ回数が少なくてもクーポンやサービス券を添付することで来店や購入を促すことができるため、反応率が高く費用対効果が得られやすいなど、導入しやすいマーケティング手法となっています。
ここからはより具体的にダイレクトメール(DM)のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
メリット1:顧客にアピールしやすい
ダイレクトメール(DM)は、EメールやSNSなどのデジタルマーケティングとは異なり、実際に手で触れたり、実体験したりできることが大きな特徴です。
商品やサービスの魅力を、デザインや紙質、形状などで表現することが可能なため、その他のダイレクトマーケティングよりも顧客にアピールすることができます。
メリット2:訴求できる情報量が多い
ダイレクトメール(DM)は、印刷物やサンプルなどを手元に届けることで、デジタル媒体や電話よりも多くの情報量を伝えることが可能です。
写真やイラストを用いて商品・サービスの魅力を最大限に訴求できるので、イメージが伝わりやすく開封率も向上させることができます。
メリット3:ターゲットをセグメントできるため精度が高い
ダイレクトメール(DM)は、ターゲットのセグメントをより細かにできるのが特徴です。
顧客の住所が不明な場合でも、送付するターゲットの地域や業種・企業規模等の細かなセグメントができるため、確度の高いターゲット層に直接届けることが可能となっており高い精度が見込めます。
メリット4:顧客との信頼関係が薄くても高い反応率が見込める
ダイレクトメール(DM)は、顧客との信頼関係が薄い場合でもクーポンやキャンペーンを添付することでターゲットが次のアクションを起こしやすい特徴があります。
EメールやSNSなどは、企業と顧客の信頼関係構築までにステップメールやこまめな情報発信が必要ですが、ダイレクトメール(DM)は、少ない発送回数で高い反応率が見込めます。
メリット5:効果測定ができる
ダイレクトメール(DM)は、企画ごとに「どの顧客の反応率が高かったか?」「どの顧客の購入率やリピート率が高かったか?」等のレスポンスの量や宣伝効果を明確に計測することができます。
結果を分析して、得られたデータを次の企画や改善に活かすことでより効果的なマーケティング施策を得ることが可能です。
デメリット1:コストがかかる
顧客メールアドレスやSNSアカウントなどを用意すれば運用できるデジタルマーケティングとは異なり、ダイレクトメール(DM)は、印刷料や発送作業料がかかるため自社で行う場合には大幅なコストが発生します。
この場合、デザイン・印刷〜発送作業まで一括で依頼できるDM発送専門会社に依頼することで、最安の送料や印刷料金で任せることができます。
DM施策のポイント
ここまでダイレクトメール(DM)のメリット・デメリットについてご紹介してきましたが、実際にDM施策を実行するにあたって抑えておきたいポイントをご紹介します。
1. ターゲット(目的・目標)の明確化
もっとも重要なのが誰にどのような目的で送るかという、ターゲット(目的・目標)の設定です。確度の高いターゲットを明確にすることで、送り先地域や業種のセグメントがしやすくなるだけでなく、ターゲットに刺さるキャッチコピーやデザインを作成することができます。
2. 自社商品やターゲットに合ったクリエイティブ
ダイレクトメール(DM)は伝えられる情報量が多いため、コピーライティングやデザインなどのクリエイティブへのこだわりも重要です。
商品・サービスの魅力をターゲットに的確に訴求するためには、自社の商品・サービスに合った色合いや、写真、キャッチコピーなどを事前に検討しましょう。また、自社商品を利用することで得られるメリットを端的に述べるキャッチコピーや、ターゲットの悩みや不満に寄り添うキャッチコピーなど添えることも開封率を高める重要なポイントです。
3. 魅力のある特典
割引券、クーポン、プレゼント、イベント招待、無料キャンペーンなどなどの特典は、購買意欲を高めるための大きなフックとなりますので、開封を促すことを意識し目立つ箇所に記載しましょう。
封入物に特典を記載する場合には、封筒に「キャンペーンの詳細はこちら」「割引券在中」などターゲットに訴求する特典情報を記載すると良いでしょう。
4. 送るタイミング
ダイレクトメール(DM)は送るタイミングを明確にしておくことで、季節感のあるデザインにしたり、顧客のボーナス時期に最適なキャンペーン・セールなどを打ち出すことが可能です。送るタイミングによって反応率は変わりますので、顧客の立場になってダイレクトメールを送る時期を設定しましょう。
5.効果測定
複数のデザインパターンを用意することにより、受け取り手のお客様がどのような反応を示すのか、その反応率を測定します。
来店・問い合わせ・WEBサイトへのアクセス・クーポンコードの利用・キャンペーン利用の有無などを測定値の目安とし、「送ったダイレクトメール(DM)のうちどれだけレスポンスがあったのか?」「ダイレクトメール(DM)の総コスト」などから算出します。
効果測定を行うことで、さらなる改善施策を導くことができますのでぜひ実施してみましょう。
まとめ
今回は、マーケティングにおけるダイレクトメール(DM)の特徴やダイレクトメール(DM)のメリット・デメリットを、その他マーケティング手法との比較を交えながらご紹介しました。
ご紹介した4つのダイレクトマーケティングのうち、ダイレクトメール(DM)は、4ヶ月に1〜2回程度の発送にも関わらず開封率や反応率が高く、さらに顧客との関係が希薄な場合や見込み顧客の獲得を目指す場合にも最適なマーケティング手法の1つです。
ダイレクトメール(DM)は、デザインや印刷、発送作業までを一括で依頼できるDM発送専門会社が多く存在します。無料で見積もりができるだけでなく、ターゲット選定まで相談できる業者もありますのでぜひ活用してみてください。
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